うつの治療を初期段階から始めるためのセルフチェック

まずは自分でできることを

レディ

心の不調を感じたら

近年、「うつ」や「うつ病」という言葉と出会う機会が多くなりました。現在では、だれもが一度は耳にしたことがある言葉であると言っても過言ではありません。新聞や雑誌などでもうつ病についての特集記事が組まれることも少なくありません。また、うつ病啓発のテレビCMであったり、うつ病を経験した方の体験記が出版されたり、テレビドラマ化されることもあります。今現在、うつ病は誰もがかかる可能性のあるポピュラーな病気として認識されつつあります。現在はうつ病の時代である、といわれることもあり、患者数は年々増加傾向にあります。ですが、残念ながらこの病気を正しく理解できている一般の方の人数は、そう多くはありません。昨今では、会社での健康診断などの際にストレスチェックを行うケースが多くみられますが、ストレスチェックを行っているからといって、皆が皆うつ病に対して正しい認識を持っているとは限りません。これには「うつ病」という言葉の意味が個人によって様々にとれることが起因しています。言葉としてはすんなりと耳に入ってきますが、その意味を問われた場合、ほとんどの方の認識が少しずつ異なることでしょう。心の病気であるからこそ線引きが非常に難しく、どの程度であれば軽く、どの程度から重症化していると呼べるのか、また、患者自身が感じている症状はどの程度のものであるのか、推し量ることは困難であるといわざるを得ません。これは一般の方だけに言えることではなく、専門家の間でも認識のずれが生じる場合があります。心の病気は、体が傷ついた時のように表面に現れる症状ばかりではありません。ほぼ患者さんの自己申告による症状の説明によるものですから、いくら「心が苦しい、つらい」を訴えたとしても、それがどの程度であるのか、日常生活にどの程度影響を及ぼし、また精神的・肉体的な限界に達してしまっているか否かを正確に測ることは、専門医であっても難しいことなのです。このように、自分の症状を人に正確に伝えることには非常に困難であるといえます。ですが、この状況を打破することができる可能性があるものも存在します。それが「うつ病チェック」というものです。これは、前述の職場でのストレスチェックとは異なり、管理職の方が理解するためだけのものではなく、自己診断を行うことによって自分の症状を改めて見つめなおし、専門医の診断を仰ぐ際の参考にすることができるというものです。また、自分だけではなく身近な方、たとえば家族の方の状態をチェックすることも可能になるのです。このチェックシートはインターネット上でも公開されており、無料で行うことができます。シートには様々な症状が記されており、該当する項目にチェックをすることで、簡単に自己診断をすることができます。もし心に何らかの不調を感じた場合には、専門医に相談する前に自己診断をしてみることもおすすめです。